ttp-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=utf-8" /> 技 - 行政書士円たけしからの手紙

技(8)タイプ別問題攻略法 その2(正誤組合せ肢選択)

前略

 前回に続いての5肢択一問題のもう1つのパターンである正誤組合せ肢選択問題を、やはり、「技(7)問題分析その3 」
http://tkskikaku.jp/blog-entry-39.htmlで扱ったH28-問29を使い説明します。

1.問題のテーマ

 これは問題のパターンに限らず言えることがあります。すべての問題にはテーマがあります。5肢選択式であれば、各肢で問いたいこと(論点)があることはわかりますよね。一方で、各問題毎にもテーマがあります。行政書士試験の問題は、全般的に言って法律の基本を問うものです。では基本とは何でしょうか?

2.H28-問29の問題のこころ

 ずばり結論から申し上げると、H28-問29の問題では、「共有にかかる基本が理解できていますか?」ということを問うてます。
前回分析した肢別でどのような知識を必要とするのかに、肢別の難易度情報を加えてみます。
 問題は正しいものの組み合わせはどれか(5つの肢のうち正しい肢2つを選べ)ということを聞いてます。

 肢ア 判例 (×) :  普
 肢イ 判例  (○) : 難
 肢ウ 条文 (×) :   難
 肢エ 条文  (×) :  易
 肢オ 条文  (○) :  易

 難易度情報を加えると難肢2つと、普通肢1つ、及び易肢2つに分かれてます。肢エと肢オは条文又はテキストをしっかり読んで理解できている方であれば正誤の判定は比較的容易であったと思います。これで2つの肢は切れ、1つが正肢ですので残りの3つより1つ正肢を見つける作業となります。

 次の検討です。肢アです。
 
DがA、BおよびCに無断で甲土地上に乙建物を建てて甲土地を占有使用している場合、Aは、Dに対し、単独で建物の収去および土地の明渡しならびに土地の占拠により生じた損害全額の賠償を求めることができる。(×)->最判昭51.9.7)
 「共有にかかる土地が不法に占有されたことを理由として、共有者の全員又はその一部の者から不法占有者に対してその損害賠償を求める場合には、共有者は、それぞれその共有持分の割合に応じて請求をすべきものであり、その割合を超えて請求をすることは許されない。」

 損害全額の賠償請求できないのは、それぞれ持分があり、金銭賠償請求権は可分債権となるからです。判例をずばり知らなくても持分とは何かをよく理解できている人であれば誤肢とできたと思われます。

 残りは2つの肢、イとウです。

 肢イについては前回解説しましたので詳細は省略しますが、判例をしらないで正解を導きだすためには相当な類推と法的思考力が必要な問題でした。検討段階では、?といったんつけておいて、肢ウです。

 Fが賃借権に基づいて甲土地上に乙建物を建てた場合において、A、BおよびCが甲土地の分割協議を行うとするときは、Fに対して分割協議を行う旨を通知しなければならず、通知をしないときは、A、BおよびCの間でなされた分割の合意は、Fに対抗することができない。(×)->民法第260条1項2項
「共有物について権利を有する者及び各共有者の債権者は、自己の費用で、分割に参加することができ、参加の請求があったにもかかわらず、その請求をした者を参加させないで分割をしたときは、その分割は、その請求をした者に対抗することができない」

 共有者が遺産分割を請求したにもかかわらず他の共有者が協議参加させず、取り決めた遺産分割協議内容は、参加をしなかった共有者に対抗できないとするものです。通知の義務までは条文に書いておらず通知する義務はないということから結論として誤肢となるものです。ちなみに260条は、平成の間に行われた試験では問われなかった条文となります。

3.まとめと対策

 肢のイとウですがどちらが切りやすい問題でしたか?各人の学習の深さがものを言いますが、私の場合、どちらかというと肢イの方が正解を導きやすかったように思います。260条は勉強したことがない論点です。肢イは、判例を知らなかった場合にあって自信はないですが正解のような気がすると思えたのではないかと思います。
 総じて言うと組合せ肢選択においても、最後に残った2つの肢をどう切るかで運命が分かれるような問題が多いのです。普通肢、易肢は切れて当然なのです。残り2つの肢で共有の概念の”持分の理解”をどれだけ理解しているかということを問う問題なのです。
 
 普通肢、易肢を自信をもって完全にきれるようにすること、これが基本を固めるということなのです。そして最後の2肢のどちらかを持っている知識から一生懸命考える。行政書士試験において260条のような知識を増やすことは決して得策ではありません。

草々
 H28-問29

 

技(8)タイプ別問題攻略法 その1(正誤一肢選択)

前略

 いよいよ問題の攻略法を説明してゆきます。あくまでも5肢択一問題の中でのタイプ別問題攻略法を紹介します。多くの問題に触れるというよりパターンを把握することが必要ですので「技(7)問題分析その1」http://tkskikaku.jp/blog-entry-32.htmlで扱ったH28-問題13を使い説明します。

1.5肢択一問題のパターン

 5肢択一のパターンと言えば、大きくわけて以下の2つ(妥当/妥当でないは正誤の変形)に分類できます。

(1)正誤一肢選択(次のうち、正しいものは/誤っているものはどれか)
(1’)妥当非妥当一肢選択
(2)正誤組合せ肢選択(次のうち、正しいもの/誤っているものの組合せはどれか)
(2’)妥当非妥当組合せ肢選択

2.正誤一肢選択問題のこころ

 5肢の中で正誤の一肢のみ正しいか誤りか発見するという問題、みなさんは好きですか?
一肢のみですのでつまり他の四肢はそれと反対ですのでその正解肢を見つけたときは明快でうれしくなると思います。私も好きです。アプローチは、①正答肢直接発見、又は②消去法の2つのアプローチがあります。
 ①正答肢直接発見は、初見でずばりその正解肢を見つけるものであり、他の肢の正誤を深く検討しないものとなります。一方、②消去法は、不正解肢を4つ見つけ、残ったものが正解とするものです。では、正誤一肢選択問題で望ましい解き方でしょうか?
 これは実は問題の難易度にもよるのですが、①もあり、②もあると言えます。

3.H28-問題13、消去法の方が正解を導きやすい

 5肢択一問題の場合、肢毎に難易度が異なることは皆さんも理解していると思います。H28-問題13は以下の通りです。

1. 正解肢  : 難 -> 条文そのままの表現ではなく、内容として行政側の選択肢に2つあることを理解できたかが問われてる
 2. 不正解肢:  易 -> 条文のまま
 3 不正解肢:  易 -> ほぼ条文のまま
 4 不正解肢:  普 -> 条文の内容理解
 5 不正解肢:  易 -> ほぼ条文のまま

  H28-問題13は、普段より条文を良く読んでいれば、2、3、5は素直に不正解肢(内容としては正しいもの)であると切れたかと思います。残りの1と4が、他の肢と少し毛色の異なる肢となります。2つとも条文の内容に踏み込んだ理解が必要な肢となり、しいていえば、4の肢が解きやすかったかと思われます。

 ずばり、正解肢を最初から見つけることができる人は、実力がある証拠です。しかしながら、このように迷うことなく一目で正解肢を見つけ出すことができる人は間違いなく消去法でも切る実力がある方です。なぜならば、この肢の場合、消去法で解くアプローチの方が学習段階としても1つレベルが低い(条文の素直なインプット及び理解で済むから)からです。

 ①正答肢直接発見による方法は最終的に到達できる方法であり、これができるようになるには習熟度合いが物を言います。最終的に実力がついて数問をこのようなアプローチで正解することは回答時間の短縮化につながり、有利ではありますが、学習初段階、または中期段階にある人が目指すものではありません。基本は、全肢の正誤検討ということになります。これは検算のような意図もあります。

草々
平成28年-問題13

技(7)問題分析 その3(応用-条文+判例問題)

前略

 前回「技(7)問題分析その2」 http://tkskikaku.jp/blog-entry-32.html
よりかなり時間が空いてしまったのですが、今日は応用ー条文+判例型の問題につき、分析を試みます。

1.応用ー条文+判例 問題について H28-問題29より

 応用問題ですが、これは与えられた問題文が条文や判例の文章そのまま、又は編集されているのではなく、主に事例形式となって問われている問題です。特に民法で出される問題に多いです。今回の問題は、 H28-問題29で民法ー物権の共有をテーマとしたものです。この問題を解くには条文のみならず判例の知識の応用が必要でした。

 肢ア:判例
 肢イ:判例
 肢ウ:条文
 肢エ:条文
 肢オ:条文

 正しいものの組み合わせを答えるもので正解は、3で肢イと肢オでした。
 正解肢を分析してみます。まず、肢オです。

 肢オ A、BおよびCが乙建物を共有する場合において、Aが死亡して相続人が存在しないときは、Aの甲土地および乙建物の持分は、BおよびCに帰属する。(○)ー>民255条
「共有者の1人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する」

 箱に入った3つの風船の1つが弾け、箱に2つの風船が残りその空間を占有しているイメージでしたよね。これは条文の内容が頭に残っていれば事例に適用できた肢でした。

 肢イ 
Eが、A、BおよびCが共有する乙建物をAの承諾のもとに賃借して居住し、甲土地を占有使用する場合、BおよびCは、Eに対し当然には乙建物の明渡しを請求することはできない。(○)ー>最判昭63.5.20
 「共有者の一部の者から共有者の協議に基づかないで共有物を占有使用することを承認された第三者は、その者の占有使用を承認しなかった共有者に対して共有物を排他的に占有する権限を主張することはできないが、現にする占有がこれを承認した共有者の持分に基づくものと認められる限度で共有物を占有使用する権原を有するので、第三者の占有使用を承認しなかった共有者は当該第三者に対して当然には共有物の明渡しを請求することはできないと解するのが相当である。」 

 上記判例少し長いのですが、Eが持ち分を有する共有者の一部のAより賃借を承諾されている限り、Eが賃借の正当性を主張するには一理あるということでしょうか?当然には共有者の明渡しを請求できないと解するとし、その問題解決には金銭的な決着をはかるべしとする判例もあります。 いずれにせよ、肢イは、条文のみからは正誤を切りにくい問題であったと思います。

2.どのようにこのような問題を対処すべきか

 正解肢の2つだけを検討したのみでしたが、肢イは、判例知識を必要とするものであり、条文と判例を双方に抑えておくことが必要な問題でした。このような問題は、条文と判例の知識を双方に高めておくことが求められています。

 では、判例だけを覚えれば良いのか? 答えはノーです。判例は、条文に書いてない場合の解釈であったり、その条文の実際の適用をどうしたのかということであり、あくまでも条文が基本となってます。この判例も民法252条 共有物の管理が端を発してます。共有とは共有者間でどのような状態を示すのか、持分とは何なのかというテーマを深く掘り下げたものです。

3.勉強方法としては?

 民法の事例に強くなる。私はこれこそ法律家らしいと思いますし、普段の勉強もその条文の趣旨、適用を考えるということがその方の実力を伸ばすのだと思います。しかしながら、こういった勉強にどれだけ比重を置くか?その2で触れた知識ー条文型問題とは対極にある問題かと思います。ご自分の手持ち時間とその教科をどれだけ伸ばすか考えどころです。今年の試験まであと半年切りましたが、民法にじっくり取り組むのは本格的に暑くなる前のこの時期しかないかと思われます。

草々
H28-問29

技(3)一般知識をどう対策するか?その2

前略

 以前「技(3)一般知識をどう対策するか」http://tkskikaku.jp/blog-entry-9.htmlの続きで今回はその2となります。一般知識の足切りを恐れている人は多いと思います。予測がしにくいという理由からです。

 1.一般知識の出題意図

  前回では、文章読解2問+過去問焼き直し問題(核兵器、政治がらみ等)4問=6問の最低ラインで乗り切ろうという戦略を申し上げました。例年14題ある一般知識問題で何とか予測を立てることができないか、みな頭を悩ますと思います。

 Ⅰ 問題47-54(8題) 政治・経済、現代社会等
 Ⅱ 問題55-57(3題) 情報系
 Ⅲ 問題58-60(3題) 文章問題

 上記を分析すると、大局的には公務員+法律家の素養を試すものと言えます。カテゴリⅠは、まさに公務員試験に似た出題となっており、カテゴリⅢは、法律素養をみる問題です。では、Ⅱは何かというと、”行政書士業務に密接な”文書電子化の流れを受けた情報問題の出題です。この”行政書士業務に密接”がキーワードです。

2.一般知識の中に潜む”行政書士業務に密接な分野”からの出題

 過去問をよーくみると、実はカテゴリⅠでもこの”行政書士業務に密接な分野”からの出題があることに気付きます。

 平成26年 問題54 難民関連      -> 入管業務
 平成27年 問題51 空き家        -> 昨今行政書士が取り組むべき重要課題の1つ
 平成28年 問題52 日本社会の多様化ー> 入管業務

 つまり、中学の教科書に書いてある現代社会からのトピックだけではなく、行政書士として知っていてほしい背景などの知識を問うているのです。これは勉強方法として単にテキストや過去問をやればいいというものではありません。深く覚えるようなことはしないでよいのですが、行政書士の業務課題としてどういったものがあるのかということを行政書士連合会などのHPをみるなど日ごろから関心をもつと1問くらいはなるほどこれかと思えるようになります。

 皆さんは将来業務を行う予定かと思いますので参考で連合会のHPのURLを掲載しておきます。

  https://www.gyosei.or.jp/

技(7)問題分析 その2(知識型-条文問題)

前略

 今日は、前回「技(7)問題分析その1」http://tkskikaku.jp/blog-entry-31.htmlで説明した問題のタイプについてもう少し掘り下げて話をします。

1.知識型-条文問題について H28-問題13より

 行政法で多くみられるタイプの問題です。条文知識が問われる問題です。では、条文知識とは一体何でしょうか。条文知識とは、(1)条文自体を正確に覚えていることと、(2)条文の内容を覚えていることの2つがあります。
 ここで、典型問題としてH28-問題13をみてみましょう。この問題は、正誤問題で答えは肢1(×)です。
 
 肢1. 行政庁は、申請の形式上の要件に適合しない申請については、補正を求めなければならず、ただちにこれを拒否してはならな い。
 (×) → 行政手続法第7条
 「行政庁は、申請がその事務所に到達したときは遅滞なく当該申請の審査を開始しなければならず、かつ、申請書の記載事項に不備がないこと、申請書に必要な書類が添付されていること、申請をすることができる期間内にされたものであることその他の法令に定められた申請の形式上の要件に適合しない申請については、速やかに、申請をした者(以下「申請者」という。)に対し相当の期間を定めて当該申請の補正を求め、又は当該申請により求められた許認可等を拒否しなければならない」
 
 ”又は”の文を挟んで行政庁側に選択肢が2つあることを理解していたかがポイントでした。問題肢をみると条文そのままの内容が出されているわけではなく、条文の内容を理解していたかが重要でした。いわゆる上記の(2)のパターンです。

2.条文自体を正確に覚えていることとは?

 では、上記(1)のパターンの条文自体を正確に覚えていることとはどういうことでしょうか?同じ問題の肢3をみてみましょう。

 肢3. 行政庁は、申請者の求めがあれば、申請に係る審査の進行状況や申請に対する処分時期の見通しを示すよう努めなければならない。
(○)→ 行政手続法第9条1項
「行政庁は、申請者の求めに応じ当該申請に係る審査の進行状況及び当該申請に対する処分の時期の見通しを示すよう努めなければならない。 」

 この問題は、条文そのままが出されたと言ってもよい問題でしたが、よーくみると、単語レベルですが微妙に置き換えられた表現となってます。条文の”及び”は、問題文では”や”といったように。条文知識問題は、条文を正確に覚えることが重要であり、直前期には条文素読が効果的な勉強方法となりますが、すごく正確に覚えることができる方にとっては、問題文の単語レベルの置き換えが間違いであるかのように錯覚してしまうことがあり注意が必要です。

3.まず条文の内容を覚えることにしましょう

 この問題においては、上記(1)と(2)のパターンが混在してましたが、最終的には条文の文字ではなく内容が頭に入っていることが大切であることがおわかりいただけたと思います。もちろん、条文の文言を覚えることができる方はアドバンテージとなりますが、勉強としては、まず内容を理解されることを優先していただければ良いのではないかと思います。

草々
平成28年-問題13

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プロフィール

円たけし

Author:円たけし
資格取得を通じてビジネス力を鍛えることをモットーとしている現在47歳のビジネスマン。2006年(38歳)~2012年(44歳)までの電機メーカに勤務している7年間に、行政書士、TOEIC865点、日商簿記2級を取得。

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